2014年06月19日

犬の認知症は改善する(2)認知症の原因と改善例 3

140428_123838←こんな顔をしていますが、
ちゃんといろいろ
考えて行動しています。
反応は乏しいですが、
それは老化と脳梗塞による
後遺症のせいだと思います。

(画像は2014年4月28日現在のものです。)

“ 犬の認知症は改善する(1) "で脳を理解できたら、
次は認知症の原因は何かを調べると認知症の
改善に何が必要なのか、何をすれば良いかが
わかってきます。それがわかれば、
やるべきことの優先順位もわかります。

では、柴犬景正くんを例に認知症の原因と
何をすれば認知症は改善するかを書きます。

●高齢犬の認知障害症候群改善例

<症例対象>
柴犬(オス)推定年齢15歳以上、体重約10kg
長野県の飯田保健所が12月中頃に保護する。
失禁(排泄物を踏みつける)などがあり
認知症と判断される。飼い主不明にて
保護期間が過ぎ新たな飼い主は難しいと
判断し処分決定。しかし、当方にて
飼育希望を出したため処分を免れ、
長野から東京へ移り住む。
飼育当初、徘徊、失禁、遠吠え、夜鳴きあり。

<経過>
認知症と思われる症状があるのを保健所から聞いていたため
2013年1月29日よりメイベットDC2g1包を1日1回飲ませる。
右前肢と右後肢の動きが悪いため関節痛改善目的で
グルコサミンも同時に飲ませる。
同じく白内障があるため白内障改善の目的として
メニわんEyeも飲ませ、DHCのDHAサプリメントも追加する。
2013年1月7日より認知症改善のためにドッグランに行く。
同年1月末より犬の希望により夜間ドッグランに行くようになる。
同年3月頃には遠吠えと夜鳴きがなくなり、夜間も落ち着く。
同年4月19日にドッグランにいつも来ている犬と初めて遊ぶ。
この頃から、散歩中にドッグランでよく会う犬とすれ違うと
アイコンタクトをとるようになる。
そして同時期、発情期になったせいか、朝と夜間の遠吠えが
復活する。徘徊までとはいかないが、落ち着きのない動きになる。
発情期が終わると遠吠えがなくなり落ち着きも取り戻す。
認知症の症状である徘徊や夜鳴きや失禁はなくなったが、
認知能力をあげるために2013年5月21日より
メイワのピクノジェノールとDHCの醗酵黒セサミン+スタミナを
飲ませる。メイベットDCとDHAだけの時より“考える力”が
高くなったせいか、認知能力はあがったが「おいで」と
言って手招きをしても来ないのはかわらなかった。
2014年4月頃より睡眠中の痙攣が起きるようになり、
同年4月22日に昼間失禁するほどの痙攣が2回、
2時間ぐらの間に起きたため夜間受診し発作時の
ホリゾン座薬をもらい帰宅する。
同年5月2日よりPanasonic酸素エアチャージャー
にて酸素吸入を開始する。
起床時のふらつきが減り、飼い主を直視することが増える。
同年6月5日よりPanasonic酸素エアチャージャーから、
オキシクール32に変更する。
同年6月15日、「おいで」といい、手招きすると悩まずに寄って来た。
(1回目は約1週間前に「おいで」といい、手招きをしたら
5分ぐらい悩み寄ってきた。)


<考察>
保健所から来た時から右側前肢と後肢の動きが悪く
やや右半側空間無視があったため脳梗塞による
認知障害ではないかと思っていた。右側の前肢と後肢の
動きが悪いという程度で麻痺というほどではなかったため
痛みの軽減と可動をしやすくする目的でグルコサミンを
飲ませていた。他にもドッグランと1日最低1時間の散歩と
庭での放し飼いにより運動量をあげ、筋力アップと
体力をつけるることをした結果、ふらつきが減り動きが良くなった。
ただ、起床時のふらつきは気温や湿度によりふらつきの
有無や度合いに差があり、基本、起床時はふらついていたが、
酸素吸入をすることで良質な睡眠を確保できたせいか、
起床時のふらつきが軽減され立ち上がりから歩行まで
酸素吸入をする前より良くなった。
その他にも寝具を低反発の長座布団にした。
普通の長座布団より低反発の長座布団にしただけでも
立ち上がりが良くなった。2014年6月より通気性のよい
東洋紡のブレスエアーに変更する。
低反発より少し硬めのせいか就寝時の振戦や
軽い痙攣が増えたように感じるが、
通気性が良いため熱がこもらないせいか
就寝時の呼吸の乱れ等はなくなった。

白内障があるためメニわんEyeを飲ませていたが、
途中からピクノジェノールを開始したので
DHCのぱっちりに変更し様子をみていた。
メニわんEyeの方が効果はすぐにみられたが、
継続使用ではそれ以上の変化はあまりみられなかった。
DHCのぱっちりに変更しても大きな変化はなく
白内障の進行を遅らせることはできていると思われる。

認知症改善サプリメントであるメイベットDCだけを
数日飲ませていたが、DHAは多い方が良いという
掲示板での使用例を知り、DHAを追加して飲ませた。
確かにメイベットDCだけよりは効果がみられるように
なったが、それは緩やかに改善している感じだ。
ただ、DHA単体のサプリだけにすると
メイベットDCだけを飲ませた時より
認知症の改善が停滞し、
ジェルカプセルということもあるせいか
吸収が悪いようでやや認知症の症状が
悪化したように感じた。短期間であったため
他にも悪化させる要因があった可能性もあるが、
明らかに認知症の改善は停滞しているのがわかった。
おそらくメイベットDCを増やす方が
DHA単体のジェルタイプのサプリメントを
増やすより効果が早くみえると思われる。

メイベットDCとDHA単体のサプリメントを
のませ続けていたが、主成分はDHAであり、
その成分で改善する認知の度合いが
浅いように感じたため、認知度を上げるために
ピクノジェノールと黒セサミンを追加で飲ませた。
メイベットDC以外はヒト用を使用していたため
飲ませる量は犬に使用している量を調べ
飲ませている。ピクノジェノールと黒セサミンを
飲ませ始めてから2ヶ月が過ぎた頃に
“考える力”が高くなったことに気づいた。
坂道をおりる時に惰性にまかせおりていたのが、
自分でおりるスピードを調整するようになった。

サプリメントと酸素吸入機が認知症の
改善に大きな役割を果たしたことに間違いは
ないのだが、他にも認知症改善のために
行っていたことがある。
それは、食事と散歩を“楽しい”と思える
時間にすることだ。
犬にとっての楽しみは、基本、
食事と散歩ではないかと考えたからだ。

食事についてはまず犬の体質を知ることから始めた。
様々な食材を与え合う物、好む物を調べた。
合わなかった物は肉類の脂身と牛乳で、
犬がよく好む物は魚だとわかった。
市販のドライフードは消化不良を起こし、
ウエットフードは消化不良を起こす物と
下痢をする物があった。そのためウエットフードは
水煮缶を中心に手作り食に加えるのを目的に
使用することにした。
毎食味や食感をかえ、作りたてを与えることをしている。
肉は馬肉、鹿肉、豚肉、鶏肉を中心に牛ヒレ肉を時々与えている。
馬肉は生で与えることもある。鹿肉、馬肉、豚肉、牛ヒレ全て
基本はステーキにし、素材の味を生かすことにしている。
魚は生の鯛、鰺、サンマ、サーモン、鮭を買い
お刺身か焼き魚にしている。肉も魚も少しのご飯と
野菜に混ぜて与えている。

2014年6月に下痢をしたことをきっかけに
飲水は全てグリーンダカラと水を半々に割った物を
与えている。暑くなったせいか、飲水量が増えたのだが、
飲んでいる割には体内への吸収が悪く、
便が軟らかく、尿量が増えるだけのように感じていたため
下痢の時に飲ませていたグリーンダカラの方が
体内に吸収される量が多く、犬もふらつきがなくなった。
やはり水より電解質を含んだ飲料水の方が良いとわかった。
グリーンダカラを選んだ理由は人口甘味料不使用だからだ。

散歩については、体調に合わせて歩く距離と
歩くコースをかえている。保健所から来た2013年の
1月から11月頃までは毎日2時間近く散歩していたが、
11月の気温が下がったあたりから上手く歩けなくなり、
距離を短くし、坂道のないコースを選んで1時間短くし
散歩していた。しかし、寒くなるにつれ足腰が痛いらしく
歩くのが大変になったため2014年1月にドッグカートを
導入し、ドッグカートで休みながら散歩をするようにした。
カートで休めるのがわかったせいか、遠くまで散歩する
楽しみが戻り休憩しながら2時間散歩するようになった。
2時間のうち歩いている時間は1時間ぐらいだが、
カートから景色をみる楽しみがあるせいか
寝てばかりではなく、起きている時間も長い。
ドッグカートで電車に乗ったり、知らない街を散歩したりと
楽しんでいるせいか、機嫌が良い日も増えた。
逆にカートに乗せない日が続くと機嫌が悪く
認知症の症状が出てくることがある。

そして、犬との関係が浅いことを埋めるために
抱き癖をつけることにした。
大手掲示板に認知症で夜鳴きをする犬を
抱いていたら、夜鳴きがとまったという
書き込みをみた。抱くことで不安は減り、
安心し、なにより安全な状態になる。
人間が守ってくれているという安心感と
安全だという思いが、不安からくる夜鳴きや
遠吠えや徘徊をとめることができるとわかった。
信頼関係がないからこそ、抱いて安全だということと
安心してもらいたい想いで頻繁に抱くようにした。
その結果、抱いて寝たら眠るようになり、
車に乗っている間は抱いているとおとなしくなった。
東京都から岐阜県までの移動の間もほとんど
抱いていたが、思ったよりおとなしく長い時間
車に乗っていても大丈夫だとわかった。



<結論>
人間同様に健康でなければ認知症は改善しないとわかった。
WHO憲章の健康の定義にも書かれているように
『健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、
肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが
満たされた状態にあること』だ。
これはヒトだけではなく、犬にも当てはまる。

飼い主との良い関係、食べる楽しみのある食事、
飼い主と一緒に行く楽しい散歩、
そして飼い主と一緒に寝る安心感。


老犬の求めるものは若い犬とは違い
“日々の生活の中で得られる満足”程度でしかない。
それが満たされれば、認知症の改善はそれほど難しくはなく
むしろ簡単に早い段階で老犬の変化に気づけるはずだと思う。
犬を健康にすること、犬が健康であることが
認知症の改善の基礎になるとわかった。

****************************************


●高齢犬の認知症改善によりみえてきた認知症の原因


はじめに、これから書くことはあくまでも臨床所見から
みえてきた原因であり、裏付けはとれていません。
今後も高齢であることのリスクを考え、
頭部CTやMRIを行わないため、裏付けはとりません。
裏付けのないまま高齢犬に無理のない、リスクの少ない治療を
行っていくことに決めました。


<左脳梗塞による右麻痺と右半側空間無視と失語症>

認知症の改善を行い結果が出てきた頃、ドッグランでよく会っていた
グローネンダールの飼い主さんに散歩の途中で会った時、
老犬をみてとても心配した様子で“ 老けた ”と言われた。
この人以外からも老けたと言われたが、やはり一番気になったのは、
主治医から「急に老けた」と言われたことが大きかった。
最近も電話で主治医と話していた時、景正が急に老けたと言われた。

この“急に老けた”という言葉の“急に”が原因追及の鍵になった。

まず、おいでと手招きすれば来るようになったことで
認知症は改善されたと判断し、
他の症状を認知症と切り離して考えてみた。

<臨床所見>

1、右寄りに歩く。
2、右を下にして寝ることができない。(嫌がる。すぐに起きる)
3、右前肢と右後肢の動きが悪い。
4、右前肢のナックリング。
5、左側しか目視しない。
6、右側から食べさせると嫌がる。食べない。食べにくい。
7、以前は「ウーワウワウ」とワウの回数で何の要求かを訴えたが、
  それがなくなった。
8、生あくびが増えた。
9、就寝時の振戦が増えた。
10、酸素吸入後よりふらつきが減り認知能力があがった。
11、就寝時、痙攣するようになった。(失禁を伴う痙攣が2回あった)
12、起床時、痙攣するようになった。


上に書いた臨床所見から、左脳梗塞だと思った一番の
ポイントは、失語症である。
犬に失語症が当てはまるのかと思うかもしれないが、
景正は「ウーワウ」の“ ワウ ”の回数で
散歩、空腹、おかわり、排泄を教えてくれていた。
それが、気がついたら言わなくなっていた。
始めはネコがうるさいから言わせないようにしていたと
思っていたが、車に乗ると騒いで便意や尿意を訴え、
空腹になると室内に入り、言葉にならない声を発するようになった。
意思表示はしているのだが、わかりやすかった“ ワウ ”の回数での
意思表示がなくなったことを不思議に思っていた。
どこかで引っかかっていたのが、主治医の“ 急に老けた ”の
言葉をきっかけに認知症というひとくくりの表現で隠されていた
壁が崩れ、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害によるものが
原因では・・・と思い始めたら、失語症だと確信できた。

そして、認知症という壁が崩れ脳血管障害がみえてきたら、
右の麻痺がひどくなっていると気づいた。
脳血管障害は人間でいうと下肢より上肢の方が麻痺は強く、
リハビリをしても上肢(手)の麻痺は残りやすい。
もちろん脳出血でも同じ症状は出るが、
脳出血の再発ならば認知症は悪化するはずだと考えた。
しかし、出血の部位によっては認知症は悪化しないことがあるため
脳出血の可能性は否定できない。
臨床所見から脳梗塞である可能性が80%で
脳出血である可能性は20%だと考えた。
認知症を改善しようといろいろ行ったことは
結果として出ている。
こう考えると脳梗塞である可能性が高いと考えている。
( 脳腫瘍の可能性は否定できない)


認知症だと言われた時に他の動物との関わりを
もっと真剣に考えればもう少し早い段階で
認知症と切り離して考えることができたと思う。
他の動物が老犬である景正と仲良くしたり、
意思の疎通をはかったりすることができる時点で
認知症だとしてもかなり軽いということだと気づけば
脳梗塞の再発を免れたと思う。
「 ウーワウ 」の“ ワウ ”の回数で意思表示していた
わけだから、認知症ではないと思っても
良かったのかもしれない。
ただの老化だと思えば今の犬の状態は
もっと良かったかもしれないと思う。

獣医の世界ではまだ犬の脳についてはわからないことが多く、
脳梗塞も最近起きることがわかってきただけで脳出血は
ないという獣医師の方が多いくらいだ。
しかし、実際は犬にも脳梗塞も脳出血もある。
ただ、その症例は少なく、データとしてそろう量でもない。
そのため治療法もないに等しく、
何より再発防止の治療法は確立されていない。
もちろん獣医師の中には人間の治療法を取り入れている人もいるが
手探りであり、リスクもともなう。
こういった現実から、獣医の世界を超え、人間的な考え方で
犬をみれば、もう少し原因が何かもっと早く知ることができた。
人間に照らし合わせてみえてきた症状も犬だからと切り離してしまったことで
景正の再発を防ぐことができなかった。

そう、景正が“ 急に老けた ”のは脳血管障害の再発が原因だ。

*


****************************************

●ここまで読んだ方へ

犬が急に立てなくなった・・・などの“ 急 ”な変化を
見逃さず、認知症と思わず、何かヘンだと思って
変化前の状態と変化後の状態を比較してみてください。
手足がおかしいや動かないやクルクル回るは、
特発性前庭疾患だと思わず、脳出血や脳梗塞の可能性も
視野に入れ、特発性前庭疾患や認知症や脳血管障害との違いを
犬の症状をみて比較してください。

おそらく多くの獣医師は特発性前庭疾患や
認知症と判断するかもしれません。
それは、脳血管障害だと判断するには
MRIやCTの検査が必要だからです。
しかし、中には特発性前庭疾患と認知症とは
明らかに違う症状をみつけ脳梗塞と判断する獣医師もいます。
ただ、明らかに違う症状ではない限り、
臨床所見だけで判断するのは大変難しいようです。

症状を緩和させるのに副腎皮質ホルモン(ステロイド)を
使用する獣医師は多いです。
しかし、使用しても良くならないケースが
多いことも知ってください。
だからといって使わない方が良いとも言えません。
それは、答えがないからです。

まずは、犬が高齢になったら、高齢になった場合なりやすい
病気を調べ、それを知ることで出ている症状の見分けが
つきやすくなります。飼い主が高齢犬がなりやすい病気を知り、
知識を得ることで何ができるか予備知識を蓄えれば、
焦らずにすみます。

脳血管障害についてはここで書いたように
人間の症状と比較するしかありませんが、
急性期の治療は脳圧を下げることが重要になります。
ひどい症状でない限り様子をみる人が多いと思いますので、
もし、おかしいと思ったら、酸素吸入をしてみてください。
酸素吸入をすることで脳圧が少しさがります。
脳圧だけではなく、酸素吸入をすることで脳や体内への
酸素の供給が多くなりますから、老犬には良いです。
特に睡眠時の酸素吸入は良質な睡眠を得るためには
とても良いです。良質な睡眠は病気の予防にもつながります。

酸素吸入機については様々な物が売っていますが、
高濃度の酸素吸入機を買うのではなく、
少し濃度をあげる程度の物を購入すると良いです。
普段すっている酸素濃度と差がありすぎると
動いていて疲れやすく余計辛くなります。

うちで最初に購入した酸素吸入機は
Panasonic酸素エアチャージャーです。
生産が終了している商品なため
現在は中古でしか手に入れることができません。
30分ごとに延長して使う物ですが、
とりあえず買うならコレが一番良いようです。
現在の中古価格は約1万円弱です。




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